電気基礎知識
送電線路
東京で電灯照明のために210Vの直流送電で始まった我が国の送配電は、社会の近代化、経済の発展を背景とする電力需要の増大とともに送電電圧は上昇し,大出力の発電所が必要になると、大容量の電力を送電する送電線路も必要となり、現在の大容量送電網へと至ります。現在では3大都市圏を取り巻く環状系と全国を縦断する形で500kV送電系統が構成され、将来的な電力需要増大を見越し1000kV設計の送電線も建設されています。
架空送電線として使用される電線は導体がむき出しの裸電線であり次のようなものが挙げられます。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| 鋼心アルミより線(ACSR) | 比較的導電率の高い硬アルミ線を引張強度の大きい鋼線、鋼より線の周囲により合わせたもので、導電率は硬銅より線よりも劣るが、価格が安価に抑えられ、軽く、機械的強度も大きく、鉄塔間の距離が長い箇所に適する。同一抵抗の硬銅より線に比べ電線外径が大きくなるので、コロナが出にくくなり、コロナ雑音の点においても有利である。 |
| 鋼心耐熱アルミ合金より線(TACSR) | 耐熱アルミ合金を導体に採用した電線。許容温度が高くなるため、許容電流は最大60%上昇する。そのため、大容量送電を必要とする220kV?500kVの高電圧送電線で広く採用されている。 |
| 硬銅より線(HDCC) | 導電率が97%と高いため、古くから多く用いられた電線。 |
都市部では、その過密さゆえ架空送電が困難となっています。そのため、地中送電路が重要な役割を果たします。地中電線路においては、電線は架空送電線路と異なり絶縁電線に保護被覆を施したケーブルが採用されます。
| 分類 | 種類 | 特徴 |
|---|---|---|
| ソリッド型 | CVケーブル | かつては、導体を絶縁紙で巻き、絶縁油を浸し、被覆を被せたベルトケーブルや絶縁紙、鉛被覆の単心ケーブルを3条より合わせさらに被覆したSLケーブルなどが存在したが、現在では熱に強く、誘電体損の低い、架橋ポリエチレン絶縁ケーブル(CVケーブル)が主流である。500kV線路にも実用化されている。 |
| 圧力型 | 油入ケーブル(OFケーブル) | ケーブル内に油通路があり、ソリッドケーブルの弱点とされた熱劣化をふせぐことが可能なため、絶縁的に有利。但し、給油設備などの付帯設備を必要とするという欠点がある。 |
| パイプ型油入 ケーブル(POFケーブル) | 導体に絶縁紙を被し、絶縁油を浸透させ、3本一括して鋼管内に引込み、絶縁油を充填したもの。電気的には非常に安定しているが、絶縁油を大量に必要とし、給油設備が必要となるのが欠点である。 |